#entry-100 リフォーム 野島邸
昔ながらの田の字型住宅を一大リフォーム

誰も住んでいない空家を
「終の住処」にしたい
リフォームのご相談をいただいたのは、大手メーカーにしようかどうしようかと野島さんが悩んでおられときのこと。地元のよしみで声をかけていただきお伺いしたところ、足腰が弱くなるこれからの生活に備えて、利便性の良い場所に移りたいというお話。ちょうど、スーパーからも近い場所に、奥さまのお母さまが他界されて以来、誰もの住んでいない空家があるから、そこを「終の住処」にしたというものでした。
生活スタイルに寄り添ったさまざまな配慮が必要だろう…
お話を聞いていくうち、子育て中のファミリーが行う一般的なリフォームとは違い、さまざまな配慮が必要だろうと私は感じました。高齢になってくると段差一つが生活に影響を及ぼします。限られた予算内で野島さんの生活スタイルに寄り添ったリフォームを請け負うのは、大手では難しいのではないかと感じたのです。
大手の利点と小さな工務店の利点は違う
大手メーカーは私たちのような小さな工務店と違って、会社を経営するために必要な経費が予算のなかに組み込まれており割高になりがちです。反面、大量生産によるコストダウンがあるのも特徴で、私たちのような中小企業にはないブランド力や安心感があるという利点も。
大手は柔軟な対応を求めると
高価になりがち
しかし、大量生産ゆえのコストダウンだからこそ、自由度は低くなり、柔軟な対応を求めると高価になってしまうのが一般的。
「野島さんにはできる限り無駄なお金は使わせたくない」という思いで向き合い、「信頼してくれたら全力を尽くします」とお約束をしたのです。
そこは、襖を開けたら大広間になる
田の字型住宅
20年ほど空家にしていたという家屋は、昔ながらの田の字型住宅でした。
家を中心で支える柱の四方に建築に必要な穴が空けられており、耐震強度が軟弱。加えて、襖を開けたら大広間になるよう設計されており、おきゃくをするには便利だけど暮らしている人にとっては不便な造りになっています。
昔の人の暮らし方は
来客を最優先する間取り
来客用に日当たりの良い場所をかまえ、自分たちは日当たりの悪い場所で暮らす。それが昔の人の暮らし方だったようで、キッキンや水回りなども非常に簡素。
野島さんの望む「暮らしやすさ」を実現するためには、全面的に間取りを変更せざるを得ませんでした。
構造を考えながら、間取りを調整しながら
進んでは、後戻りして…
明るさ、暖かさ、出入りのしやすさ、上がり下りのしやすさ…。
一つひとつ要望を伺いながら、間取りに反映。構造を考えながら、間取りを調整しながら、それでも昔ながらの良さを残しながら、徐々にリフォーム計画は進行していきました。
外と中との高低差が
高齢者にとっては危ない!
私たちを最も悩ませたのは、外と中との高低差。過去に浸水対策として床上げ工事を行なっていたため、玄関や勝手口に大きな段差が生じており、高齢者にとっては不自由な造り。
段差をスロープに変更し、手すりを取り付けバリアフリーに。浴室の広さを確保するために、屋根をの高さを上げる大工事も行いました。
外壁には天然素材をつかった
溝渕建設の新作サイディングを施工
一方、デザイン面では「若い人に任せた方いい」と一任していただき、商品開発中の外壁テクスチャを施工させてもらいました。
5つの大きさの杉の木を組合せ
間伐材でつくった外壁をポイント使い
外壁の左サイドに使用しているのが、高知の間伐材でつくった木製テクスチャ。5つの大きさの杉の木を組合せたテクスチャで、和風にも洋風にもなるのが特徴的。古民家にも現代建築にも個性的なテクスチャを発揮するんです。
この例のようにポイント使いし、統一感やオーガニック感を生み出すこともできます。まだまだこれからの商品ですが、今回、野島さんお宅の外壁に採用していただき、おかげさまで私たちにとってもありがたく、思い出に残る現場となりました。
溝渕さんは地元だし
何より話しやすかった
当初は、「新築そっくりさん」でリフォームをするか、面識のある溝渕建設さんに頼もうか迷っていましたが、溝渕さんは地元だし、話しやすい。大きな会社から人が来ても話しづらいだろうしと、溝渕さんにお願いすることにしました。
いざ、暮らそうとすると
不便が次から次へと…
家内の母が一人で暮らしていた家屋は20年以上空き家として放置していましたから、いざ暮らそうとしても、1番長い時間過ごす食卓や居間の日当たりは悪いし寒いし、キッチンもお風呂も狭い。

結果、最終的に今残ったのは
天井と欄間のみ
耐震工事はもちろん、床の高さを上げているため段差も多く、新しい暮らしを始めるにはさまざまな手直しが必要でした。次々と改装が必要な場所がでてきて、最終的に今残っているのは天井と欄間くらいです。
孫も気に入ってちょくちょく
遊びに来てくれるようになりました!
それでも、「今直さないと体が動けなくなってからでは遅い」と思い切ってリフォームをすることにしたのですが、思い切ってリフォームした甲斐がありました。
新しくなった食卓と居間は冬でも日当たりが良くてあったかいし明るいし、夏は風通しがよくて涼しいし快適! 孫も気に入ってちょくちょく遊びに来てくれるようになりましてね、嬉しいことです。
何かあっても電話したらすぐ来てもらえるので、溝渕さんにお願いして本当に良かったです。これからもお願いします。