#entry-95 新築 mimoro
瀬戸内海をのぞむオーシャンビューのヴィラ「mimoro」

「とまり木」3号店は香川の小高い丘の上
今回の依頼は、以前手がけたゲストハウス「とまり木」3号店の新築。瀬戸内海を望む小高い丘を切り開き、オーシャンビューのゲストハウスを建てたいというオーダーでした。
瀬戸内海を見下ろす特殊な地形に悪戦苦闘!
現場は、地形が特殊で図面化しにくい部分が非常に多く、全てが現場合せと現場判断。新規で声をかけた地元の業者はほとんどがこの案件を手放す有りさまで、高知の気の合う大工仲間や業者を香川に召集し、泊まり込みの合宿生活がスタートしました。
施主も業者も一丸となって…
ゲストハウスのメンバーとも一緒に頭を悩ませながら、経験値の高い職人らで知恵をしぼり合いながら、現場は進んでいきます。困難の中から生まれる横の繋がりがさらに私たちの信頼関係を強固にし、現場はさらに一致団結。青春マンガさながらの白熱ぶり(笑)
最大のネックは「高低差」
レッカー車や、大型トラックが入れず…
何より私たちを悩ませたのは、道路と現場の高低差。敷地内へと繋がる道路が急勾配で、レッカー車や、大型トラックは施工敷地に一切入れず、4WDの軽トラックがかろうじて入れる状態。これには頭を悩ましました…
ユンボ使いは曲芸するかのように
ユンボを使いこなして
なるべく手運びできる部材寸法・重量にすることを心掛け、坂道は足元が滑るため、重いものを持つときは靴の裏に登山用のアイゼンを装着。大型の材料は熟練されたユンボ使いが曲芸するかのようにユンボを使いこなして運搬し、なんとか施工にこじつけました。
ローコストかつ
DIYでメンテナンスできるように
一方で、できる限りローコストかつ、DIYでメンテナンスしやすく仕上げてほしいというゲストハウス陣のオーダーを叶えるため、現地のホームセンターや木材店で揃えられる材料を駆使し、鉄骨造の納まりはいつも使っている工具で施工できるよう仕上げるなど、創意工夫は細部にまで及びました。
小さな力が生んだ大きな成果
そうして、困難な時間を一緒に向き合ってくれる職人同士の意気の合ったチームワークにより、あり得ないほどのローコストを実現したのです。それは、小さな力がたくさん集まることで、生まれた大きな成果でした。
“衆力功をなす” 困難を面白さに変えるのに何より大切なこと
「難しい敷地条件とかぎられた人材・資源のなかで、それらを総合的に考えていかに一番良い形をつくりあげていくかにこそ、やりがいと面白さがありました。遠方で泊まり込みながら段取り良く現場を進めてくださったことも職人さん一人ひとりの力があったからこそ実現できたと思います」、これは今回設計を手がけた拓哉くんの言葉ですが、まさしく衆力功をなす。困難を面白さに変えるには、やはり職人一人ひとりの力は凄く重要だと痛感されられました。
今後も、我々職人はもっと仲間を大切にし、新しい仲間を増やしながら、より良い施工をしていきたいと思っています。もし良ければ、皆さんも応援してください。
「この人と建物が造れるといいなぁ」と思って
振り返ってみると、かずさんと知り合ったのは、10年ぐらい前。これからの大工の未来像について語っているかずさんを見て「この人と建物が造れるといいなぁ」と思ったのがきっかけで、まず最初に「とまり木」が完成しました。
かずさんのおかげでDIYのスキルもアップ!
その後、付き合いを重ねるうちに、施工自体における信頼はもちろん、施工後もこまめに相談にのってくれ「ここは自分達でやった方がいい」と、コストなども踏まえて提案してくれるようになり、信頼感が深まっていったように思います。副次的にかずさんのおかげでDIYのスキルもあがりました!
チームとなって一緒に造り上げたい!
また、チームとなって建築していく自分たちのスタイルに合わせて、SNSでも抵抗感なくメッセージを返してくれるのところが、大工さんらしからぬも、実はすごく感謝してます(笑)
お気に入りは大戸と網戸の木製建具
今回の設計の中でも個人的に気に入っているのは、大戸と網戸の木製建具。あの大きさは自分たちではとても作れないですし、あそこの素材が木かどうかで、風が吹いた時の気持ちよさが変わっていたなと感じています。
完成したときのあの感動はチームとなって取り組んだからこそ
「mimoro」の完成を見たときは、正直、感動の一言につきました。mimoroは「tell landscape」というコンセプトで展開しているのですが、部屋から見える景色や建物の佇まいがまさにこの場所を伝えるのにふさわしい建物です。また、今回は施工前やその過程で何度も建築家含めて大変な時期も経験したので、チームとなってそれを乗り越えて造りあげられたのは本当に嬉しかった。
ゲストから喜びの声がたくさん!
お客さまの反応も上々で、建物に足を踏み入れた瞬間「うわー」という歓喜の声があがります。建築好きな方からもたくさん質問されるので、それだけ奥深い建物なのかなぁと誇らしく思っています。ちなみに当初は里山に作ったこともあって、虫が多くて苦戦していたのですが、かずさんに相談して追加施工していただいたことで、その辺も大きく解消され、お客さんの満足度もより一層上がりました。
夢は海外でかずさんと一緒に建物を造ること…
かずさんが常日頃おっしゃられているのですが、地方ほど職人不足は顕著なので、そのような社会課題に対しての何か解決できるような建物を創りたいなと思います。
例えば、大切なところだけ大工さんが仕上げてそれ以外は自分たちで造るとか。今もそういうやり方を結構してはいるのですが、それをもっともっと広げていけるといいなと思ってます。そして、海外で一緒に何か一つ建物を創り上げられるといいなというのが、私たちの夢です。